八事駅周辺には中京大学、名城大学、名古屋大学や南山大学などの有名な大学が点在していて、学生さんの多い文教地区のイメージが強いです。それから昔から歴史のある高級住宅街のイメージもあります。
今回は、両口屋是清さんの八事店を目的地として、八事駅周辺をお散歩しました。
坂のまち 八事
2番出入口のそばに坂の名前を記した案内石が設置してありました。
八事地区は坂がたくさんあるところです。古くから交通の要所になっていたようです。
案内石によると、八つの坂には塩釜坂、大学坂、参道坂、雲雀坂、天道坂、音聞坂、石屋坂、山手坂という名前が付いているようですね。八事店のある山手グリーンロードの坂は雲雀坂というのでしょうか。
石碑がたくさん建っていました。音聞坂と天道坂の分岐である天道山大門の石碑です。こちらも伊藤萬蔵さんが建てられたのですね。全国各地に伊藤萬蔵さんが建てられた遍路石があるようです。
地蔵道の石碑がありました。並んで伊藤萬蔵さんによる道標もありました。
両口屋是清 八事店
暑い日が続いていますので、なるべく早朝の涼しい時間を狙ってお散歩に出かけました。八事駅は坂の多い地区にありますので、地上に上がる出入口の選択を正しく行わないと、上り坂に無駄に苦しむことになります。今回、私は3番出入口から地上に上ったのですが、両口屋是清八事店に向かうのなら2番出入口のほうが良かったみたいでした。
雲雀坂の途中にある両口屋是清さんは茶室・数寄屋建築の第一人者である中村昌生さんの設計による店舗だそうです。名古屋生まれの中村昌生さんは白鳥庭園清羽亭の設計でも有名ですね。名古屋の白鳥庭園の清羽亭は白鳥が舞い降りる姿をイメージした数寄屋建築で、とても美しい建築物です。
到着した時には店舗自体は営業していたのですが、喫茶室の営業時間は12時からでした。私はそうとは知らずに喫茶室で一服したいと申し出てしまいました。それにもかかわらず店員さんは快く準備をしてくださいました。知らなかったこととはいえ、申し訳ないことをしてしまいました。ありがとうございました。
店内の喫茶室はとても落ち着いた雰囲気の中に茶室特有な凛とした空気感も感じられました。まず天井が美しいです。掛け軸も素敵ですし、置物の色使いも楽しいですね。
一文字焼き 御園座公演が急遽中止
御園座の公演が出演者のコロナ感染で急遽中止になってしまいました。前売りもすべて完売だった人気の公演だっただけに突然の中止の影響はとても大きかったようです。
両口屋是清さんも御園座公演にあわせて販売している一文字焼きの用意が無駄になってはいけないので,
御園座でしか購入できない一文字焼きをこの日は東山店と八事店で特別に販売することにしたそうです。
一文字焼きのデザインは歌舞伎をイメージしたものでした。隈取のデザインが御園座らしいですね。
自宅でいただく用に持ち帰った一文字焼きは御園座のマークがデザインされていました。
餡が美味しい和菓子です。皮はリニューアル以前の千なりに近いと思います。おいしいです。ごちそうさまでした。
八事山興正寺
八事と言えば興正寺さんです。飯田街道沿いの興正寺、八勝館が八事のイメージを作り出しています。札幌かに本家さんもインパクトがあります。
八事は江戸時代から風光明媚な景勝地として知られていたそうです。興正寺参詣がとても人気があったようです。明治には飯田(駿河)街道に馬車鉄道が開通し、そのあと路面電車に発展したそうです。大正に入ると八事遊園地や八事球場ができて行楽地としてのさらなる発展を遂げましたが、昭和12年に東山公園ができると、八事は行楽地としては衰退したのだそうです。
現在の八事は行楽地のイメージは薄れています。そのかわりにたくさんの学校が並ぶ文教地区であり、落ち着いた高級住宅地となっています。その中で興正寺の公園は憩いの場となっています。
また、参詣しようと思います。