淡雪のうしろ明るき月夜かな 子規
備前屋さんのあわ雪 純白の包装箱に印刷された正岡子規の俳句です。
淡雪は春の季語で、春雪、春吹雪、沫雪、牡丹雪とともに春の雪の傍題として歳時記(角川書店編 合本俳句歳時記第三版)に紹介されています。
淡雪 春の季語 子規の俳句
角川の歳時記では春の雪を明るく軽快な感じと表現しています。たしかに淡雪には明るいイメージがありますね。
そして、積もることなくすぐに溶けてなくなってしまう雪。淡雪にははかなさも感じられます。
銘菓 あわ雪の純白 徳川家康公が生まれた岡崎城、伝馬通の備前屋さん

あわ雪は備前屋さんを代表する銘菓ですね。備前屋のあわ雪♪というCMが今も耳に残っています。
備前屋さんは岡崎の伝馬通にあり、白を基調としたとても立派な店舗で目を引きます。名鉄の東岡崎駅から乙川にかかる明代橋を渡って、モダン道路をさらに北に向かい、一号線を抜けて伝馬の交差点にあります。
備前屋藤右衛門さんが天明2年に創業したそうです。天明2年というのは1782年とのこと。江戸時代から岡崎にある和菓子屋さんなのですね。
岡崎は徳川家康公が生まれた岡崎城や、味噌煮込みうどんにも使われる八丁味噌で有名な西三河の街です。桜の名所もたくさんあります。これからの時期は、乙川沿いや伊賀川沿いの桜が満開を迎え、日中あたたかくなってきたら、川沿いを散歩して桜を楽しむのも良いですね。
お豆腐みたいなあわ雪 純白 純白以外にもたくさんの種類のあわ雪を楽しめます
写真で見るとお豆腐みたいですね。もちろん、お醤油と鰹節を変えていただくのは間違った召し上がりかたです。
そのまま何もかけずに、ただただ上品な甘さと、淡白をよしとするぬるんとして淡い感触を味わいます。できれば春の温かいお茶とともにいただくのが最高の楽しみ方です。

この見た目がお豆腐のように見えるのには理由があったようです。備前屋さんのホームページにあわ雪の由来が書いてありました。
江戸時代、岡崎宿の茶店「あわ雪茶屋」で供された「あわ雪豆腐」は 東海道名物として旅ゆく人々に有名でしたが、 明治に入ってからは世の移ろいとともにさびれてまいりました。
当舗三代目藤右衛門これを惜しみ、その名を菓子に残さんと 日夜研鑚、現在の銘菓「あわ雪」を創作いたしました。
江戸時代、あわ雪豆腐という東海道名物があったのですね。
あわ雪のいろいろな楽しみ方ができています
備前屋のあわ雪♬というCMが流れていたころは、本日いただいた純白がすなわちあわ雪だったのではないかなと思います。
今は、いろいろな種類のあわ雪があるようです。
ざっと並べてみると、純白のほかには、茶山、桃花、鹿の子、烏骨鶏、白妙の雪。あわ雪茶屋としてフルーツソースをかけていただくダブルベリー、濃茶、チョコレート。
フルーツソースをかけていただくダブルベリーも気になります。
今度いただこうと思います。