もなかっておいしいですね。餡子と皮の取り合わせでこんなにおいしい食べ物になる不思議。もちろん、お店それぞれの餡と皮にたいするこだわりがあると思いますので、簡単にはもなかをひとくくりで語ることはできません。ですが、これだけは言えます。私はもなかが大好きです。
今回は、鯱の形をした皮のもなかをいただきました。元祖鯱もなか本店さんの創業は明治40年だそうです。西暦では1907年。中原中也、川島芳子、吉行あぐりさん、淡谷のりこさんがお生まれになり、夏目漱石が朝日新聞に虞美人草の連載を開始したのが1907年。今日まで115年のとてもながきにわたり和菓子作りをされているお店です。すごいですね。
元祖 名古屋名物 鯱もなか
もなかといえば通気性のある和紙が包装紙として活躍しますね。その包装紙に商品名が印刷されていますが、その書体が面白いバランスで描かれています。漢字の「鯱」の字画の多さとひらがなの「もなか」をうまく絵的にデザインしたアイデアが素晴らしいなと思います。
そして何よりしゃちもなかという商品名も超ド級にストレートで楽しいです。名古屋観光の土産として購入したくなる商品名です。セントレアでも売られてるそうですので、外国の方もきっと、この和菓子がどんな鯱の形をしているのか、早くこの包装紙を破ってみたくなるに違いありませんね。

包装紙から鯱もなかを取り出します。出来れば2つ取り出してみたくなります。2つを向かい合わせてみたくなりますね。食べ物で遊んではいけませんが、鯱もなかは許してくれそうな気がします。

鯱もなかの説明書がありました。名古屋名物 元祖 鯱もなかの「いわれ」として次のようにあります。
この鯱もなかは大正10年旧名古屋城天守閣上の金の鯱を型取って苦心研究の結果創製したもので、風味絶佳、お茶うけによく
名古屋名物として地方色豊かで、おみやげに好適品です
尚熱湯を注入すれば風味ある「即席ぜんざい」ともなります
大正10年から作られている和菓子なのですね。この創作のもなかをこれからもいつまでも愛していたいものです。
店舗改修のためのクラウドファンディング
今回の鯱もなかはクラウドファンディングのリターンです。
お店を継がれた四代目が始めた今回のプロジェクトは、2022年1月15日の募集開始から2月27日に募集を終了するまでに676人の方からの支援があつまり、目標金額の360万円をクリアされました。これもまたすごいですね。

プロジェクトの目的について、四代目の古田花恵さんが次のように説明されていました。
名古屋市の創業明治40年『元祖鯱もなか本店』に、地元の皆様が居心地のいい毎日を過ごしてもらえるような空間をつくりたい!当店自慢の『鯱もなか』を召し上がっていただき、和菓子を身近に感じてもらうきっかけを作り、そこに集まる皆様が交流を深められる「空間と時間」を提供したいと思っています。
プロジェクトが成功してよかったなと私も思いました。どのような変貌を遂げられるのかこれから楽しみです。